台湾とのビジネスにおいて、通訳を通じて会話しているにも関わらず、「あれ、伝わってなかったの?」という場面に遭遇したことはありませんか?
言葉は確かに訳されていたのに、なぜか誤解が起きる──。その背景には、“文化的な前提”や“商習慣の違い”があります。この記事では、通訳だけでは補えない「伝わらない理由」と、それを回避するための視点を解説します。
1. 「通訳した=伝わった」ではない
通訳者が間違っていたわけではなくても、意図が相手にうまく伝わらないことがあります。なぜなら、言葉の意味は文化や前提に大きく依存するからです。
たとえば、日本語の「できれば〜していただけると助かります」という表現。日本人にとっては“お願い”でも、台湾側からは「やる必要がない(選択肢の一つ)」と受け取られることもあります。
2. 台湾と日本の「伝え方」のギャップ
- あいまいな表現:日本では丁寧さの一部でも、台湾では意図不明に映ることがある
- YES/NOの明確さ:台湾では「できません」ははっきり言う文化。曖昧な表現は混乱を招く
- 質問しない=納得した、ではない:台湾側も遠慮する場面があり、後から「聞いてなかった」という事態になる
3. 通訳者のレベル:文化や文脈まで訳せていない
通訳者は、あくまで言語を訳す役割です。商習慣、関係性、前提知識などの“背景”まではカバーしきれていないと、誤解が起こります。
たとえば、「今回は見送ります」という日本側の表現を、台湾側が「もう興味がない」と捉えてしまったり、「検討します」が「具体的に進む」と誤解されるケースもあります。
4. 台湾でよく起きる“伝わらない”トラブルとは?
実際によくあるのは、日本側が「検討します」と伝えたところ、台湾側は「この話は進展する」と捉え、次のステップを動かし始めてしまうケース。日本では“保留”や“慎重に考える”という意味合いが含まれますが、台湾では前向きな合意に近いニュアンスと受け止められることがあります。
このように、文化や習慣によって同じ表現でも大きく認識が異なり、結果的にトラブルや関係悪化につながることもあります。
5. なぜ「文化の理解」が今、重視されているのか?
グローバルビジネスが加速する中で、「単に言葉が通じれば良い」という時代は終わりを迎えています。特に台湾のように日本と近しい文化を持つ地域では、似ているがゆえに“違い”を見落としがちです。
だからこそ、現地側がどのように受け取り、どう判断するかという“相手の立場”を想定した伝え方が必要になります。これはマニュアルではなく、現場の経験に裏打ちされた柔軟な感覚が求められる分野でもあります。
6. 文化のズレを埋める3つの視点
- 意図や前提を明確に伝える:「なぜこれを聞くのか」「背景に何があるのか」を先に伝える
- 大事な場面では“確認プロセス”を加える:一方的に伝えて終わりではなく、再確認の時間をとる
- 通訳+“文化の橋渡し”ができる人を頼る:単に訳すのではなく、文脈ごと伝えてくれる存在が鍵になる
7. Fumidukiが目指すのは「文化ごと訳す通訳」
私たちは、通訳・翻訳にとどまらず、現地の商習慣や人間関係の前提までふまえた“コミュニケーション設計”を重視しています。
「通訳がいても伝わらなかった」ではなく、「通訳がいたからスムーズに進んだ」と感じてもらえる支援を目指しています。
参考リンク
台湾ビジネスの制度・環境についての客観的情報は、JETRO台湾のページも参考になります。
台湾ビジネスの伝わらなさ、感じたことありませんか?
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